気の合う仲間で、
 人々が笑顔になる
 仕事をしたい。

Long interview

ハーツテクノロジー株式会社のなりたち。

Q.もともと知り合いだったメンバーが設立したのでしょうか。

設立メンバーは、WILLCOM(現Y!Mobile)の携帯電話を開発していた仲間たちが中心です。その仕事をしていたのは10年以上も前になりますが、開発規模は大きく、様々な方々と一緒に開発を進めていました。しかし、メンバー同士がどれだけコミュニケーションを取って進めていたか…。同じチームであるはずのキャリアや協力会社の方々と対立すらしていたような状況で、しかもその状況を解消させるような動きがどれだけできていたかというと、実際には何もできていないような状況でした。今から考えれば、非効率的で独りよがりな進め方だったと思います。そのため結果として、現場はとても疲弊してしまいましたし、リーマンショックなども影響してか、結局プロジェクトは長続きせず解散し、メンバーもバラバラになってしまいました。

Q. その時の経験が原点ということでしょうか。

はい。この時の経験が、メンバーの心には強烈に残っています。バラバラになってからは「イイものづくりがしたい」という気持ちだけを抱えながら、それぞれがもがきながらものづくりを続けていたような状態だったと思います。たまに2,3年に一度、有志の飲み会で顔を合わせると、当時の話で盛り上がるような感じです。そういった思い出話をする中で、口には出さなかったのですが、いつかまた自分たちで開発ができるなら、あの時の反省を活かし、理想的環境で仕事をしたいという気持ちが大きくなっていったんだと思います。

Q.その後、実際のスタートのきっかけについて教えてください。

2015年2月、前の会社の受託開発部門として海老名に開発室を設けた時が、今に繋がる最初の小さな一歩だったと思います。
当時その会社は、ゲーム開発向けの画像最適化ソフトを中心に、業績は好調でした。一方で、初期に大切にしていた「お客様のご要望をお伺いして形にする」ということが忘れられつつあるという危機感を社長はじめ持つようになりました。それを解消するために、改めて「お客様のご要望をお伺いして形にする」という文化を広めていこうという思いがあり、新たに受託開発部門を現ハーツ役員の枝松と私の二人で始めたのです。開設当初は私も本社の池袋に居ることが多く、海老名開発室に常駐するメンバーは現ハーツ役員の中内とリードテクニカルエキスパートの岡田のたった2名でした。
自社開発のパッケージソフトが中心の会社に、受託開発を専業にする部門ができたので、例えばリリース前試験のレベルなど、同じソフトウェア開発とはいえ、スピードと品質の優先度については、議論になることがありました。

Q.少しずつその違いに気づき始めたわけですね。

前の会社では、おおよそ方向が合っていれば、何でも自由にやらせてもらえました。また、ゲーム開発向けの画像最適化ツールを中心に、業界ではとても有名な会社だったので、ゲーム業界から転職してくるメンバーもいました。当時創業から25年を越える歴史があり40人以上の規模だったこともあり、本当に様々なタイプの社員がいました。そういった組織の中で、自分たちの部門の仕事を突き詰めていくと、どうしても妥協せざるを得ない部分も出てくることがありました。さらに、ハーツテクノロジーの中心となってくるメンバーは、会話やコミュニケーションの中から相手の考えを推し量り、結果として様々な要望や要求を引き出して、相手に合わせたソフトを作るタイプだったことも、ハーツ設立という新しい可能性を考えるきっかけになったような気がします。

Q.そういう日常の中でのちょっとした文化の違いから何かが始まっていたというわけですね。

ハーツテクノロジーには、徹底的に効率を高めるというよりは、ちょっとくらい無駄があったとしても、気の合う仲間でワイワイやりながら、辛いことでも乗り越え楽しくやっていきたいっていうメンバーが多いと思います。
前の会社では個人的にも本当に多くの経験をさせてもらえましたし、たくさんの方々とのご縁も頂き、とても感謝しています。仕事を進める上でも非常にやりやすかったのですが、そういった素晴らしい組織だったとしても、ちょっとした文化の違いによる影響は大きいものだと知ることができたのは、貴重な経験でした。
私たちは共有できる「思い」を大切にしています。こういった「思い」つまり会社としての「文化」にフォーカスして、お客様はもちろん、どうしたらチームメンバーが幸せになれるかを徹底的に考えた結果、ハーツテクノロジーが生まれたんだと思います。

ハーツテクノロジー株式会社が大切にしていること。

Q. やはり社名のハーツテクノロジーというところから聞きたいのですが。

私たちは「ハート」を大切にする会社です。
お客様、社員をはじめ、みんなの心を大切に、仕事と向き合っています。私たちの強みは、「心の通ったソフトウェア開発」です。
ハートとテクノロジー、人によっては対極の概念と思う人もいるかもしれません。しかし私たちは、ハートを大切にすることで良い開発ができ、人々を笑顔にできると信じています。私たちにできることは、最先端の技術や安い単価をメリットとして提供するのではなく、深くお客様のことを理解し、そこにマッチしたテクノロジーでプロジェクトに貢献することです。
お客様は、なんらかの課題を抱えて弊社に仕事を依頼されます。この課題を、お客様と同じ当事者として向き合い、お客様の心にある想いを技術で形にすることを意識して開発を行っています。そのため、何も考えず言いなりで作るような開発では良い仕事はできないと考えているので、たまにお客様に意見を申し上げ過ぎて気分を害されるようなこともありますが(笑)、最終的には喜んでいただくことがほとんどで、結果として深い信頼関係を築くことができます。ここはハーツテクノロジーとして一番大切にしている部分です。

Q.ロゴマークにはどんな意味があるのでしょうか。

ロゴマークは社名にある「ハーツテクノロジー」の「ハート」をベースに、もうひとつ大切にしている「笑顔」をイメージしています。
また、英語の社名表記の頭文字「H」と「T」を中心部分にデザインし、中央の「i」のように見える部分は、ITの「i」と、もうひとつは、言葉にすると少し恥ずかしいのですが、大切にしている心の象徴として「愛」の意味も込めています。

Q.ロゴマークの線が9本ありますが。

この線の数はデザインとして、最後の最後まで調整をしていたのですが、最終的には見た目を優先して9本にしました。9本だから9人、というような意味を込めようと思ったものの、設立メンバーの数が9人ではないし、その時その時のメンバーがすべてハーツテクノロジーのメンバーそのものだと思っているので、線の数に、例えば設立メンバーの意味は持たせたくないという気持ちもありました。
しかし、初期のメンバーが集まるきっかけとなった「WILLCOM 9」 の「9」の意味はあります。これは後から気づいたんですけどね(笑)。過去は決して忘れられない貴重な経験です。

Q. ロゴマークの色には何か思いがありますか?

コーポレートカラーにもしているオレンジ色は、太陽のイメージです。あたたかくて、元気になりますよね。これは「WILLCOM 9」の開発をしていた頃、ものすごく優秀なプログラマーさんに、「大和さんは、北風と太陽の、太陽みたいですよね」と言われたことがあります。どういうことか聞いたところ、マネージャというのは大体怖いタイプ(北風タイプ)の人が多いものですが、私はあまり厳しく言うことはなく、ものすごく明るかったようです。開発メンバーがちょっとした失敗をしてお客様に説明に行かなければならない状況でも、「あー、(明日じゃなくて)今日見つかって良かったー。行ってきまーす!」みたいな調子でした。受け取る人によってはものすごいイヤミにしか聞こえませんよね。裏があるのでは…と誤解を招いたことがあったのは、今思うとナットクなんですが(汗)。でも、そういった私の姿勢を見て「北風と太陽の、太陽みたい」だと言ってくれたのです。
こういう評価をしてくれる人が意外に周りにたくさんいて、このスタンスでやっていいんだと自信を持つきっかけとなった言葉でした。ロゴマークにもその思いを込めて太陽をイメージしたオレンジ色を使っています。

ハーツテクノロジー株式会社の強みや、得意分野。

Q.技術的にアピールできるポイントについて教えてください。

携帯電話の組み込みソフトを開発していたメンバーが中心となって設立したので、「組み込み系ソフト」はもちろん、「通信関連ソフト・半導体関連装置向けソフト」や「画像関連ソフト」という3つのアプリケーション開発が得意分野です。
加えてAIや機械学習など、新しい分野にも積極的に取り組んでいます。こういった新技術を活用することも含め、web・サーバ関連の技術も必要とされるケースが多くなってきていることもあり、若いメンバーを中心にこの分野の技術についても経験を積んでいます。ただ、技術先行ではなく、お客様のやりたいことが優先です。また、海外も含め、お客様の先にあるエンドユーザーの現場に足を運ぶことには前のめりで対応をしています。

Q.なるほど、お客様の先の現場にまで足を運ぶのは珍しいですね。

はい、そこまでの理解が無ければ喜ばれるモノは作れないと思っています。そういう意味で、なるべく現場に足を運びますし、業務全体を理解した上で仕様検討に臨むように心がけています。お客様と一緒に仕様を作ることを大事にしています。

Q.もう少し強みについて聞かせてください。

繰り返しになりますが、「何でもできる」ではなく、「飛び抜けて高い技術」でもなく、「心の通った開発」ができることが、ハーツテクノロジーの一番の強みです。具体的には、仕様として文書化されていないことも含めたお客様のご要望を引き出した上で開発ができることです。
また、以前の現場での反省を踏まえ、発注者に甘えた下請け業者ではなく、要望のさらに先にある「発注者も認識していない仕様をも形にする」開発を目指しています。
発注者と受注者という立場の違いこそあれ、同じ課題に立ち向かうメンバーです。
「発注者が言っているからその通り作る」とか、「発注者が十分吟味しただろうと勝手に思い込み、別の選択肢があるにもかかわらず、提案すらしない」ようなことはやめよう、と。それは心が通っている、とは言いがたいですから。
これは、私たちが発注側になった時も相手側に同じことを期待します。
ハーツテクノロジーは海外にパートナー会社があります。メンバーのKakusan (R&D部 マネージャ)が若い頃に働いていた大連共創軟件有限公司という中国の会社と戦略的パートナーシップ協定を結んでいます。
最初にこの会社と一緒に開発を進めていこうと考えたときに、いわゆるチャイナリスクからくる反対もありました。でも、我々のようなスタートアップ企業が、日本人だけで開発を進めるような今までのやり方でやっても強みは生まれませんし、意義もないと思いました。
同じ能力でコストが低いのであれば、パートナーにお願いできることはお願いし、私たちは自分たちにしかできないことを見極め、そこに注力したほうがハーツの強みが出るのではないかと思いました。
パートナーはこちらが信頼すれば信頼で応えてくれて、今ではハーツメンバーよりも多い人数が協力してくれるような状況になりました。
昨年からはハノイのNTQ Solution という会社とも協力関係をスタートし、ハーツテクノロジーにおける国籍のダイバーシティは加速しています。

ここまでは、国際的なダイバーシティのお話なのですが、実は年齢的なダイバーシティもウェルカムです。
現在、60歳以上のメンバーが2名、ハーツで活躍しています。日本の高齢化はどんどん進んでいきますし、私たちの世代だと、100歳まで生きる可能性がぐっと上がるのは間違いありません。そういった状況の中で、60歳とか65歳くらいで一線での仕事を終了させることは、社会にとっても本人にとっても幸せとは言えないと思います。
実際にまだまだ活躍できますし、そういったメンバーの色々な知恵や思慮の深さなども含め、ハーツでは大変助かっています。一方で20代のメンバーも5名いて、60歳以上のメンバーと一緒に働いています。よく社会一般的に、若者の悪いところにばかり注目して、否定的な意見が聞かれるものですが、私はここも、北風と太陽で言えば、太陽的です。若いメンバーの、新しい技術への好奇心やチャレンジ精神にはいつも刺激を貰っていますし、若いエネルギーは組織にとって必要不可欠な要素だと思っています。
熟成した世代と若い世代が共に働く、こういう年齢のダイバーシティから生まれる強みにも今後ますます期待しています。

オフィスの雰囲気は。

Q.オフィスのレイアウトや、雰囲気で気を付けているところはありますか?

開発会社ですから、パソコンに向かって行う作業が多くなります。だからといって、ずっと静かということはなく、質問したり雑談したりは気兼ねなく行える雰囲気です。デスクには集中できるようパーティションが付いていますが、顔を上げると周りが見える程度の高さにしています。
また、15時から30分間は話しやすいように共通の休み時間にしていたり、月1回定例の飲み会をして、社員同士が気軽に相談し合える雰囲気作りをしています。休憩スペースにはいつもお菓子やお茶類が充実していて、メンバーも出張のお土産や、自分の畑で取れた大地の恵みをおすそ分けするようなこともあり、楽しく話しながら、業務も効率的に進むような工夫をしています。

Q.楽しそうなオフィスですね。手当などはいかがでしょうか。

月に4回までのランチ手当や、スポーツクラブ手当、ガジェット手当さらに学習手当など、一般的な出張手当や残業手当以外にさまざまな手当があります。これは、仕事だけでクタクタになってしまうと、イイものづくりができないと実感した経験からです。体の健康、心の健康、これらを整えた上で湧き出てくる気持ちが、ハートを大切にする開発には不可欠だと考えています。メンバー間のコミュニケーションと肉体的な健康、さらに技術的な興味をさらに伸ばすような事は、なるべく後押ししたいという気持ちでいます。

ハーツテクノロジー株式会社の目指す未来

Q.最後に、ハーツテクノロジーの目指す未来について教えてください。

お客様と信頼関係を作って、要望のさらに向こう側にある、お客様自身すら気づいていないことまで引き出して、それを形にしていくのがハーツテクノロジーの仕事です。そのために一緒になって悩み考え、心の通ったソフトウェア開発に磨きをかけていきたいと考えています。そして妥協無く、課題解決や製品・サービスの完成を成し遂げ、その先にあるエンドユーザーの笑顔を広げるお手伝いができればと考えています。

今の日本が進むべきは低価格競争ではなく、もちろん根性論の世界でもなく、国籍や年齢のダイバーシティなども含めた新しい価値観で仕事を進めることだと考えています。
過去の日本で成功してきたモデルにとらわれずに、今の時代で求められるものは「心」を大切にしなければならないと考え、「心」を通わせるためにできることはあらゆることにチャレンジします。
社名に掲げた「ハーツテクノロジー」の名の通り、気の合う仲間で、人々が笑顔になるように、ハートを大切にしながら、テクノロジーで社会に貢献し続けたいと思っています。

代表取締役

大和 智明

早稲田大学卒業後、山一證券入社。その後、メリルリンチ日本証券、ベンチャー系ソフトウェア開発会社を経て、2010年に株式会社ウェブテクノロジへ。取締役経営企画部部長として、マンガ作成ツール「コミPo!」、画像最適化ソフト「OPTPiX」などの企画・マーケティングを担当。
2015年から2018年にかけて、ゲーム業界最大のビジネス系イベントGTMF運営委員代表を務め、業界におけるツールミドルウェアの活用を後押しした。
一方で半導体検査装置など高度な制御系・解析系ソフトウェアを開発する受託開発部門を立ち上げる。
このチームが母体となり2018年ハーツテクノロジー株式会社を海老名に設立。代表取締役に就き現在に至る。
早稲田大学商学部卒。栄光学園高等学校卒。横浜生まれ横浜育ち。地元本牧の祭礼委員長。